20代の職人が今から考えておきたい10年後のキャリア 2026.10.21

20代で建設業界に入り、毎日現場で仕事を覚えている。

先輩についていきながら作業を覚え、少しずつ一人でできることも増えてきた。

そんな時期に、

「10年後、自分はどうなっていたい?」

と聞かれても、なかなか答えられない人は多いのではないでしょうか。

「とりあえず仕事を覚えることで精一杯」

「10年後のことなんてまだ分からない」

それが普通だと思います。

しかし20代の10年間は、職人としてのキャリアを考えるうえで非常に大きな期間です。

25歳なら10年後は35歳。

29歳なら39歳。

現場では中堅、場合によっては職長や管理する立場になっていてもおかしくありません。

だからこそ20代のうちから、ぼんやりでも構いません。

「10年後にどんな働き方をしていたいか」

を考えておくことには大きな意味があります。

 

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10年働けば、自動的にベテランになれるわけではない

 

建設業では経験年数が重視されます。

「経験10年」と聞けば、かなり仕事ができる人をイメージするでしょう。

しかし、

「10年間働いたこと」と「10年分成長したこと」は同じではありません。

例えば同じ電気工事歴10年でも、

一人で施工できる。

図面を読める。

材料を拾える。

職長として現場をまとめられる。

元請けと打ち合わせできる。

後輩を育てられる。

という人もいれば、特定の作業しか経験していない人もいます。

10年後の自分の価値を決めるのは、単なる経験年数ではありません。

その10年間で「何ができるようになったか」です。

 

まずは「一人でできる」を増やす

 

20代前半であれば、まず大切なのは職人としての基礎を身につけることです。

最初は先輩から、

「あれ持ってきて」

「ここ押さえて」

「これ片付けて」

と言われて動いていた人も、経験を積めば少しずつ仕事の流れが分かってきます。

次に何が必要なのか。

どう施工するのか。

どこに注意するのか。

そして最終的には、一人でも仕事を任せてもらえるようになる。

この、

「先輩がいないとできない」から「自分一人でできる」への変化

が、職人としての大きな成長です。

20代では、まずこの「一人でできる仕事」を一つずつ増やしていくことが重要です。

 

30代になると求められるものが変わってくる

 

20代では、

「自分が仕事をできるか」

が重要です。

しかし30代になると、それだけではなくなってくる可能性があります。

後輩に教える。

現場の段取りをする。

複数人を動かす。

工程を考える。

安全を管理する。

元請けと打ち合わせする。

トラブルに対応する。

つまり、

「自分ができる」から「現場を動かせる」へ。

ここまでできるようになると、職人としての価値はさらに高まります。

20代のうちから、

「将来は職長までできるようになろう」

と意識して現場を見るだけでも、仕事の覚え方は変わってくるでしょう。

 

資格は「必要になってから」では遅いこともある

 

20代のうちに考えておきたいのが資格です。

資格によっては実務経験が必要だったり、勉強時間を確保する必要があったりします。

30代になって、

「職長を目指したい」

「施工管理へ進みたい」

「もっと給料を上げたい」

と思ったとき、必要な資格を何も持っていないと、そこから準備しなければなりません。

だからこそ、

「今の仕事でどんな資格が評価されるのか」

「5年後に必要になる資格は何か」

を先輩や会社に聞いてみる。

資格は、取った瞬間に給料が大きく上がるとは限りません。

しかし、

会社を変えても自分自身に残る財産

です。

20代のうちに少しずつ積み上げておけば、10年後の選択肢が大きく変わる可能性があります。

 

10年後も「現場一本」なのかを考える

 

職人のキャリアは一つではありません。

現場で技術を極める道。

職長として現場をまとめる道。

施工管理へ進む道。

若手の教育を担当する道。

独立して一人親方や会社経営を目指す道。

会社によっては営業や管理職へ進む道もあります。

どれが正解ということではありません。

大切なのは、

「自分はどんな働き方をしたいのか」

を考えることです。

「俺はずっと現場で腕を磨きたい」

それも立派なキャリアです。

「40歳くらいまでには管理する側へ行きたい」

それなら、そのために必要な経験や資格を逆算できます。

ゴールが少し見えるだけでも、今やるべきことが変わってきます。

 

給料だけで会社を選ばない

 

20代は転職もしやすい時期です。

だからこそ、

「今より月給3万円高い」

という理由だけで会社を選びたくなることもあるでしょう。

もちろん給料は重要です。

しかし20代では、

「その会社で何を経験できるか」

も同じくらい重要です。

例えば、

A社は月給35万円。しかし毎日ほぼ同じ作業。

B社は月給32万円。しかしさまざまな現場を経験でき、資格取得を支援してくれ、将来は職長を目指せる。

今だけを見ればA社が魅力的です。

しかし10年後はどうでしょうか。

20代で身につけた技術や経験は、その後何十年も使える可能性があります。

だからこそ、目先の月給だけではなく、

「この会社で5年働いたら、自分は何ができるようになるのか」

という視点も持っておきたいところです。

 

自分の市場価値を定期的に確認する

 

転職する気がなくても、他社の求人を見てみることをおすすめします。

同じ職種ではどんな人材が求められているのか。

どんな資格が評価されているのか。

経験5年ならどれくらいの給与なのか。

職長ならいくらなのか。

施工管理までできればどれくらい評価されるのか。

こうした情報を知れば、

「次に何を身につければ自分の価値が上がるのか」

が見えてきます。

現在の会社からの評価だけが、自分の価値ではありません。

業界全体から見て、自分がどこにいるのかを知っておく。

20代のうちからこの習慣を持っておくと、キャリアを考えるうえで大きな武器になります。

 

「できること」を記録しておく

 

もう一つおすすめしたいのが、自分のスキルを定期的に棚卸しすることです。

例えば1年に一度、

去年できなかったけれど、今年できるようになった仕事。

取得した資格。

経験した現場。

任された役割。

教えられるようになった作業。

を書き出してみる。

すると、

「自分がどれくらい成長したか」

が分かります。

そして、

「次はこれを覚えよう」

という目標も立てやすくなります。

職人の技術は目に見えにくいからこそ、自分自身で「できる」を見える化しておくことが大切です。

 

10年後の給料は、10年間の積み重ねで変わる

 

20代では、同期との給料差はそれほど大きくないかもしれません。

しかし10年後は違います。

資格を取った人。

職長を経験した人。

さまざまな工事を覚えた人。

後輩を育てられる人。

現場管理までできる人。

10年間の積み重ねによって、できる仕事に差が生まれます。

そして、その差が市場価値や給与の差につながっていく可能性があります。

だからこそ、

「今いくらもらっているか」だけではなく、

「10年後にいくらの価値を持つ職人になっているか」

という視点を持ってみてください。

 

20代の最大の武器は「これからの10年」

 

20代で、すでに完璧なキャリアプランを持っている必要はありません。

途中で考えが変わってもいい。

転職してもいい。

職種を変えることだってあるでしょう。

重要なのは、何となく10年を過ごさないことです。

一人でできる仕事を増やす。

資格を取る。

さまざまな現場を経験する。

職長を目指す。

人に教えられるようになる。

自分の市場価値を確認する。

そして定期的に、

「去年より何ができるようになった?」

と自分自身に問いかける。

その小さな積み重ねが、10年後には大きな差になります。

25歳の人なら、10年後は35歳です。

そのとき、

「経験10年です」

だけの職人になるのか。

それとも、

「経験10年。これだけのことができます」

と言える職人になるのか。

20代の今なら、まだ10年間あります。

10年後のキャリアは、そのときになって突然決まるものではありません。

今日の現場で何を覚えるか、

今年どんな資格を取るか、

次にどんな仕事へ挑戦するか。

その積み重ねによってつくられていくものなのではないでしょうか。

 

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